【基盤技術】画像処理
シルク・ラボラトリは、長年にわたって画像処理技術の開発に取り組んできました。
画像処理技術は時代とともに進化し、最初期の技術は単純なフィルタリングや幾何学的変換によって画像を修正することができました。しかし、コンピュータの処理能力の向上やデジタルカメラの普及によって、画像処理の分野は急速に発展し、高度な処理が可能になりました。例えば、顔検出や被写体抽出、背景除去、物体認識など、より高度な処理ができるようになりました。
最近では、機械学習や深層学習の技術の進化により、画像処理の精度が飛躍的に向上しています。機械学習や深層学習によって、画像内の特徴を自動的に抽出し、高い精度で物体認識やセマンティックセグメンテーションが可能になりました。また、リアルタイム処理も可能になっており、自動運転やセキュリティ監視、医療診断など、様々な分野での応用が期待されています。
当社は、常に新しい技術を取り入れながら、画像処理技術を活用した新しいシステム、アプリ開発に取り組んでいます。例えば、高精度被写体抽出、骨格抽出、トラッキングなどの画像処理技術を応用した開発実績が豊富であり、近年は、機械学習や深層学習のライブラリやフレームワークを活用したビジョンベースのアプリケーション開発にも力を入れています。
また、スポーツ計測の分野でも、機械学習ライブラリなどを活用した開発実績があり、生体信号や映像データなどから得られるデータを分析し、可視化するシステムを開発しています。
当社は、今後も画像処理技術の進化を追いながら、社会に貢献できるアプリケーション開発に取り組んでいきます。
主な開発実績
- 顔、手の動きを抽出して、お手本画像と重ねて表示(クロマキー合成)し、マッサージをサポートするアプリ開発
- 商店街に設定したカメラの映像から機械学習ツールを利用して人物を抽出し、人数や人の特徴を解析するシステム
- スポーツクライミングの映像を基に選手の骨格抽出を行い、移動経路を解析
- ラグビーのスクラムの際に生体センサーの入力と画像から骨格抽出し、力のかかっている方向を解析
- バレーボールの試合を横から撮影した動画ファイルを元に、技の判定やボールがコート内/外に落下した際の判定を行うプログラム開発
使用技術例
- OpenCV : オープンソースのコンピュータビジョンライブラリで、画像や動画の処理、物体検出、顔認識、特徴抽出、カメラキャリブレーション、機械学習などの機能を提供しています。
- MediaPipe : Google が開発したオープンソースのフレームワークで、ビジョンベースのアプリケーションの開発に使用されます。顔認識、ボディトラッキング、手のジェスチャー検出、音声認識などの機能を提供しています。
- OpenPose : 姿勢推定のためのオープンソースライブラリで、人物の骨格検出を行います。画像や動画から人物の姿勢を抽出し、スケルトン情報を提供します。
- CPN (Cascaded Pyramid Network) : 姿勢推定のためのニューラルネットワークモデルで、複数のスケールで特徴抽出を行い、それらを組み合わせて精度を向上させます。
- SSD : オブジェクト検出のためのディープラーニングモデルで、高速かつ正確に物体検出を行います。Single Shot Multibox Detector (SSD) と呼ばれる手法を採用しています。
- Mask R-CNN : 物体検出とセグメンテーション(ピクセル単位で物体を分類)のためのディープラーニングモデルで、Region-based Convolutional Neural Network (R-CNN) を拡張しているため、高い精度を実現しています。